この本、私が関わっておりまして、昨年の10月頃かな、学生の頃の意地悪でたくさんお世話になった先輩に呼び出され、「おいしいもの食べさせてあげるから、ちょっとおいで。」と。某ビルで打ち合わせ。そして、この本を手伝ってくれってことで、お手伝いすることになりました。
そんなわけで、とても豪華な肉の写真があったりと、いろいろとドワンゴ様にも先輩にもごちそうになったのです。
この本の読者のターゲットは、80年代、90年代の世代の人で、コンピュータの歴史を目の当たりにしてない人たち、そして、今の歴史を知らない人たちに読んでほしいということから、ちょうど私に声がかかったようです。
この書籍では、私のことをリアルにいじられていることも書いてあります。。。ったく。。
んで、4月19日の午後に本が刷り上がり印刷所からあがってきたようです。刷り上がったよと一報もらって、受け取ったのはその5分後。さすが同じ場所にいるだけありますね。近い。そしたら、藤田さんが、「ムカツク、、、」と。そりゃそうでしょうね(^^;;)
前書きに、よこたんこと、横田真俊さん前書き担当です。
今回お手伝いをさせてもらい、感じたのは、だって、「私、生まれてないし、そういう歴史って、聞くこともないし、そもそも情報のソースがあまりないので、これ本当なの?って調べながら読むのって大変。」ということで、ものすごく時間がかかりました。元々はUnixUserの再編であったり、新しく執筆された部分などもあり、UnixUserを当時読まれていた方も改めて手に取ってみるとよいと思います。懐かしい!っていう人もいらっしゃると思いますので、価値のある一冊にしあがっているとおもいます。あ、新入社員などの研修用の本にしてもよいですよ!
目次はこんな感じ。
第1章 プロローグ:Multics 1.1 Multicsの開発 ― Unix 誕生の契機 1.2 Project Whirlwind 1.3 ARPA 1.4 Multics 第2章 PDP-7 Unix 2.1 Ken ThompsonとDennis Ritchie 2.2 Multics Project 撤退直後の混乱 2.3 開発用コンピュータの調達 2.4 Space Travel 2.5 PDP-7 Unix 2.6 TMG 2.7 Programming Language B 第3章 First Edition Unix(Version 1 Unix) 3.1 私のグループ 3.2 起死回生の妙案 3.3 PDP-11 3.4 QED - Ken Thompson のバックキャリア 3.5 roff 3.6 First Edition Unix(Version 1 Unix) 第4章 Third Edition Unix(Version 3 Unix) 4.1 Small is Beautiful 4.2 1972-1973の状況 4.3 C 言語の開発 第5章 デビュー 5.1 学会発表 5.2 BBNのLISP研究 5.3 PDP-10の登場 5.4 デマンドページングによる仮想記憶 5.5 TENEXの人気 5.6 TENEXの評価 第6章 Programmer's Workbench 6.1 Fourth Edition Unix 6.2 1974 年から1975 年の状況 6.3 Programmer’s Workbench 第7章 Seventh Edition Unix(Version 7 Unix) 7.1 新たなスタンダード 7.2 Portable C Compiler(PCC) 7.3 Unixカーネルのポータビリティ 7.4 Interdata 8/32 7.5 Seventh Edition Unixの意義 第8章 Unix at Berkeley 8.1 Unixのサポート 8.2 UCBでのUnixの導入 8.3 PostgreSQLの祖先Ingres 8.4 そのころのUnixは? 8.5 50 Bugs 第9章 Berkeley Software Distribution 9.1 Unix 互換OS 9.2 Pascal: モダンなプログラミング言語 9.3 Pascal 誕生 9.4 UNIX Pascal System 9.5 Editor for Mortals 第10章 UNIX 32/V 10.1 BSTJ UNIX特集号 10.2 VAX-11/780への移植 第11章 Third Berkeley Software Distribution(3BSD) 11.1 Richard FatemanとMacsyma 11.2 仮想記憶機能のサポート 11.3 Third Berkeley Software Distribution(3BSD) 第12章 ARPANET 12.1 ARPANET (1) - コミュニケーションデバイスとしてのコンピュータ 12.2 1969年のアメリカ社会の情勢 12.3 ARPANET (2) - インターネット前史 12.4 DARPAと4BSD 第13章 4BSD 13.1 DARPAからの支援 13.2 4BSD 13.3 4BSDのパフォーマンスチューニング 13.4 4.1BSD 第14章 4.2BSD/4.3BSD 14.1 4.2BSD 14.2 4.3BSD 第15章 ワークステーションのコンセプト 15.1 コンピュータのパラダイム 15.2 パーソナルコンピュータのコンセプト 第16章AT&TとUnixライセンス 16.1 オープンソースの文化 16.2 巨大企業AT&T 16.3 独占禁止法訴訟とUnixライセンス 第17章 Unix Wars 17.1 第1ラウンド:SystemV vs. BSD 17.2 第2ラウンド:UI vs. OSF 17.3 Unix Warsの最期 第18章 エピローグ 18.1 4.3BSD Tahoe 18.2 4.3BSD Reno 18.3 4.4BSD 付録A Unix 関連のトピック