|
「パソコン博物館」設立を夢見て、古いパソコンを集めてきた千葉県の男性が、約700台の引き取り手を捜している。自宅マンションが収集品で埋め尽くされ、日常生活が立ち行かなくなったためだ。試行錯誤の開発の歴史そのままのコレクション。趣旨に賛同した人から善意で提供された品も多く、「意思を継いでくれるところに」と、インターネットを通じて呼びかけている。
柏市若柴の分譲マンション。玄関だけでパソコン10台、ディスプレー5台、プリンターが1台。3LDKの住まいのトイレとふろを除くほとんどの場所に、パソコン機器が天井まで積み上がっている。
部屋の主、プログラマーの久保田純也さん(30)が初めてパソコンを購入したのは中学生の時。ゲームに熱中し、主要メーカーの機種を次々に集めた。パソコンへの興味が高じ、地元北海道の室蘭工業大学で情報工学を専攻。「古パソコン研究会」を立ち上げ、本格的な収集に乗り出した。
就職を機に上京してからは、収入が安定した上に部屋が広くなり、収集に拍車がかかった。毎週のように秋葉原の中古パソコン屋をめぐり、パソコン通信の個人売買コーナーも活用。ホームページも立ち上げて情報を募り、ピーク時には海外も含め、月に5、60台のパソコンを買い集めた。
総額1千万円以上をかけたコレクションは、NECや富士通、シャープなど国産メーカーの商品が主軸。1970年代後半の「ワンボードマイコン」から始まり、日本の標準パソコンとして一時代を築いたNEC98シリーズの歴代機種、すでにパソコン製造から撤退したメーカーの製品など、パソコン史を物語る名機が並ぶ。
IT関連の出版などを手がけるインプレスの塚本慶一郎社長は「初期のものから丹念に集めたコレクションで、開発者の苦労の歴史そのもの。埋もれさせてしまうのはもったいない」と話す。
「いまのパソコンしか知らない若い人や、昔のパソコンが懐かしい世代がともに楽しめる、体験学習的な博物館にしてほしい」と久保田さん。できることなら、公的機関が保存に乗り出してくれれば、と考えている。
久保田さんのコレクション一覧はホームページで。 (04/19 19:10)
|