2000年過ぎから、我が家はIPv6 Onlyでも動くようにサイトを構築している。
そんななか、IPv6が当たり前の環境にいたが、いま、現状でどういう感じかと探ってみた。
昨今、IPoE(VNE)や、IPv6を標準に提供する元電力系ISP(auひかりone)、そして、Softbank光やnuro光など増えてきていること、
モバイル3社は2017年度中にIPv6導入することを発表している。
また、Appleは2015年6月より、アプリが
IPv6 Only Networkに対応していることを
必須としているので、そのあたりも確認していきたい。
環境は、Windows 7 + Chrome 、IPv6 Onlyでアクセスする。
尚、GoogleやFacebookは、IPv4が無くとも全く困らないことをお伝えしておく。
ターゲットにしたWebサイトは、下記の通り。主要OSについては、OS Updateができるかも確認している。
DNS Cache ServerはGoogle Public DNSを使用している。Cache ServerがDualStackに対応していることがおそらく世の常なので、権威サーバーがIPv6トランスポートをもっているかどうかは対象としていない。
- 主要OSを提供しているベンダー(Microsoft, Apple)
- モバイル3キャリア(NTTdocomo, AU/KDDI, Softbank)
- VNE事業を行っている/行おうとしているxSP
- 主要ISP
長いので、最初に結果を書いておく。
主要OS
Microsoft
Topページすらまともに表示できない。 画像やCSSなど外部サーバーでIPv4のみ。 supportやtechnetも繋がらない。 Windows UpdateはIPv6 Onlyでも動作した。 Apple
Apple Store(オンライン販売のページ)はまともに表示できない。 itunesはだめ。もちろん、AppStore(App側)もダメ。 アプリには対応を要求する割には....情けない。 apple.co.jp は www.apple.comにリダイレクトするだけの簡単な仕事なのにIPv6未対応。 なんで、これぐらい出来ないのかな?
日本国内携帯3社
NTTdocomo
www.nttdocomo.co.jp にほぼ集約されているのでコンテンツは閲覧可能。 だが、dpointや、mydocomoなど、IPv6非対応のため、使えない。 サービス紹介、エリア検索等については、サイトそのものは、同一FQDN内におさまっているのでおおよそOK エリア地図もGoogleサービスを使用しているため、表示可能。 Softbank
mysoftbankは非対応、ybbのリンクまでは行けるが、契約がらみでは非対応。 サービス紹介については、サイトそのものは、同一FQDN内におさまっているのでおおよそOK 対応エリア検索の地図はYahooJapanの外部を利用しており、こちらが非対応。 KDDI
Topページは見れるが正しく表示できない。 外部ドメインにCSS/画像などをとりに行くものの、サーバーがIPv6に非対応。 でも、そのほかダメ。AUのサイトに関してはそもそも非対応。 以前はau(www.au.kddi.com)も対応していたが、ドメイン変更に伴いアクセス不可。 IPv6でアクセスしていますといいながら、バナーが見えるだけでサイトとして機能していない。
IPoE VNE/主要ISP
※ IPoEに関しては、NTT東西より
申し込み受領された事業者を対象としており、サービス開始の有無については考慮していない。
NTT東西
フレッツサイトはIPv6に非対応 コーポーレートサイトはNTT東はAAAAが付与されているが、正しく応答しない、壊れた環境。 BBIX
何ら問題無いが検索窓がYahooに依存しておりNG JPNE
何ら問題無い Transix
何ら問題無い FreeBIT
何ら問題無いが、DTIは非対応 Biglobe
サイトは見れる。 ただし、入会サイトやアイドル、グラビアなどダメ。 メールのリンクなど表示されない。 そもそも認証系サイトがIPv4にしか対応していない。 AsahiNet
論外。AAAAすらついてない。 v6確認サイトのみ外部ドメインのサーバーで確認可能 OCN
完全アウト、まともに閲覧出来ない。KDDIと同レベルかそれ以上に論外。 その他メールなどもダメ。 OCN(Global IP Network)
さすがにこちらは大丈夫。 検索窓はNG IIJ/IIJMIO
問題無し Plala
全部対応、マイページ、WebメールなどもOK Nifty
非対応。AAAAすら無い So-net
www.so-net.ne.jpは対応しているが、 nuro.jpは非対応。www.so-net.ne.jp のSSLページは挙動が変でIPv6環境では正しく表示出来ない。
★ 主要OS:
- Microsoft
Microsoftのサイトは、まともに表示されない。
画像やCSSなど外部ドメインへのリンクのためか、そちらはv4のみ。 CSSなどは、Akamaiを採用、v4のみが原因。 supportや technetもAAAAが無いため、閲覧不可。
Windows UpdateはIPv6 Onlyでも動作した。
また、同一FQDN内でも、ストアなどは、IPv6 Onlyからアクセスすると、エラーとなった。
- Apple
AppleのTopページはちゃんと表示された。製品紹介もほぼ問題無く閲覧可能。
ただし、オンラインストアについては、画像やCSSなど、こちらはAkamaiを使用しており、異なるサーバーのファイルを参照、外部ドメインのサーバーがIPv6に対応していないため、まともに閲覧出来ない。
★ モバイル事業者 3社の対応状況:
- NTTdocomo
www.nttdocomo.co.jpにほぼ集約されているのでコンテンツは閲覧可能。 サービス紹介、エリア検索、エリア地図表示等については、サイトそのものは、同一FQDN内におさまっているのでおおよそ問題無く利用可能だった。地図に関しては、Googleを使用しているため、問題無く表示される。~
だが、dpointや、mydocomoなど、IPv6非対応のため、使えない。
というか、ページ表示に応答が無くエラーとなる。
- SoftBank
softbank.jpにほぼ集約されているので、サービス紹介などコンテンツは閲覧可能。
エリア検索等については、サイトそのものは、同一FQDN内におさまっているのでおおよそ問題無く利用可能だったが、地図に関しては、YahooJapanのモノを使用しており、こちらは表示不可。
service.areamap.mb.softbank.jp
mysoftbankは非対応、ybbのリンクまでは行けるが、契約がらみでは非対応。
- KDDI/AU
Topページは見れるが非常に残念な状況。論外。
auに関しては、以前、 www.au.kddi.comのFQDNで、IPv6対応、普通に表示できていたのに、今はリニューアルと同時に、劣化というか、デグレしている。
てか、劣化するって、会社的に大丈夫なんか?今時あり得ない。論外。
今は、 www.au.comとなっており、AAAAすら存在しない、世の中見直した方がいいよ?
こういうサイトはクラウドに行くときもちゃんと対応しているか必要条件。
ベースのインフラはAWS EC2ってところか。今は対応してるはずだしね。
対応させないと決断したひと出てこいといわれても仕方が無いレベル。$ host www.au.kddi.com www.au.kddi.com has address 106.162.242.188 $ host www.au.com www.au.com is an alias for cdn-kddi-prod.adobecqms.net. cdn-kddi-prod.adobecqms.net has address 54.192.110.232 $ host 54.192.110.232 232.110.192.54.in-addr.arpa domain name pointer server-54-192-110-232.nrt53.r.cloudfront.net.
何が一番最悪かというと、IPv6でアクセスしていますというバナー表示する割には、サイトがまともに表示できない。
★ IPoE VNE/主要ISP:
もう、こちらは、ざくっと。結論から言うと、初期VNE3社および、IIJ/Plalaぐらいしかまともなサイトは無かった。 初期VNE事業者 3社は個人の手続きを対象としておらず、ローミングなど、ISP事業者にサービス紹介にとどまり、普通にDualStack化されている。しかし、ISPでいうと、IIJ/Plalaぐらいしかまともに動作していなかった。
- BBIX
こちらは検索窓がYahooのサイトに依存しており、IPv4のみで動作しなかったが、それ以外すべてIPv6に対応していた。
また、ご丁寧に、IPv6でアクセスしているとアイコンまで表示してくれた。
- JPNE
こちらは、問題を見つけることが出来なかった。
また、ご丁寧に、IPv6でアクセスした場合、IPv6アドレスまで表示してくれた。 - Transix/InternetMultifeed
- FreeBIT(コーポレートサイト)
旧DTIに関してはAAAAすら付与されておらず、非対応だったが、FreeBITに関してはコーポレートサイトのみしかなかった(?)為、こちらの調査。こちらは、検索窓を含めて、IPv6に対応している。特に検索窓を含めて問題を見つけることができなかった。
- BIGLOBE
コーポレートサイトは特に問題無く表示された。検索も正常。ISPポータルは、いろいろと問題が発生。ここの会社はずいぶん長い間IPv6サービスをやっていたおおもうんだがな。。。
特に、入会ページや、法人向けサイト、サポートサイト、その他、アイドルグラビア、写真集など、AAAAがなく、アクセス不可。
メールというか、SSOがらみの認証が非対応のため、まったく会員および会員になろうとしているユーザーは、必要な情報にアクセス出来ない。また、アプレットなどを使っているのか、異なるFQDNのものは、リンクすら表示されないことがあった。
ただ、ポータルからアクセス出来る天気など一部のコンテンツは問題無く閲覧出来た。でも、本来必要な情報にアクセスできないのは問題。
そして、サポートサイトで、 IPv6接続のご案内がIPv6でアクセス出来ないのはいろいろと論外だった。 - AsahiNet
AAAAすらついていなくて、論外。
ただし、 IPv6接続確認ページのみ対応。サーバーは外部のさくらインターネットだった。 - OCN
サイトの作り方が一番ひどかった。
www.ocn.ne.jp には、IPv6対応のため、AAAAが付いているのに、後付けでRedirectし、service.ocn.ne.jp などIPv6非対応のサーバーのコンテンツにアクセスさせる仕様。これは頭が悪い。
下記のJavaScriptなどは、v4/v6/dualstackのサーバーと用意しているのに、そのほかはめちゃくちゃ。<script type="text/javascript"> var getIPv4 = ''; var getIPv6 = ''; </script> <script type="text/javascript" src="http://v4.ocn.ne.jp/cgi-bin/v4/checkip/checkip.cgi"></script> <script type="text/javascript" src="http://v6.ocn.ne.jp/cgi-bin/v6/checkip/checkip.cgi"></script> <script type="text/javascript" src="http://c011.ocn.ne.jp/_top/js/ipv4v6_check.js"></script> <script type="text/javascript"> if(nIpVer == 6){ document.write(''); document.write('<link rel="stylesheet" href="http://v4.ocn.ne.jp/_top/css/base.css" media="all">'); document.write(''); }else{ document.write(''); document.write('<link rel="stylesheet" href="http://c011.ocn.ne.jp/_top/css/base.css?6823" media="all">'); document.write(''); } </script>
最初はきちんと対応した環境になっていたんだとおもうが、後で触った人が壊したんだろう。こんなことをする暇あるんだったら、ちゃんと対応させろってな。サイトを管理するひとは、IPv6のことを全く意識していなさそうだ。もちろん、検索窓なんかは動かない(外部サービス/Gooが非対応))。尚、c011.ocn.ne.jp は Akamaiを使用しており、こちらは、DualStackに対応している。が頭の悪い作り方をしているので、まともに活用されていない。
一応余談だが、 Global IP Networkの方は、問題を見つけれない程度には対応されていた。といいたいところだが、検索窓は、こちらもIPv6非対応のGooを使っているため動かない。
- NTTぷらら
- IIJ
昔からまじめにIPv6に取り組んでいる唯一の組織と言ってもよいかもしれない。
残念なのは、biz.iij.jp が非対応。その他では、技術ブログ( てくろぐ、 GIOろぐ(なぜにこれだけSSL対応?)、 スマートメーターBルートブログ) などが対応していたことも評価しておく。 IPv6対応クラウドサービスワークショップで堂前さんが、IIJGIOもIPv4が亡くてもコンパネなどアクセスしてほぼすべての操作ができますからね!と楽しそうにデモをしていたぐらい、自信があるようだ。
★ クラウド事業者/ホスティング事業者:
AWSについては、サービスとしてはIPv6に積極的に対応していると、 IPv6対応クラウドサービスワークショップで 公言している。が、自Webサイトには未対応。
さくらインターネットは、IPv6推進していますとかいいながら、サイトはIPv6に非対応。
以前は対応していたのに、ころころとDC内ごろつきをしはじめてから、非対応になった。
今や、腐ったSaaSesで使われていた日本ラッドの
IPアドレスまでのっとって、コーポレートサイトにつかっていてちょっとワロタ。元ライバルだったよね。
意味ありなかんじでIPアドレスを使っている。だが、IPv6には非対応。ウケる。
ちなみに、ここも
主要サービスすべてにIPv6対応していると、公言している。
$ host www.sakura.ad.jp www.sakura.ad.jp is an alias for site-112800350116.gslb3.sakura.ne.jp. site-112800350116.gslb3.sakura.ne.jp has address 163.43.24.70
★ まとめ:
IPv6事業を積極的にやりますと宣言している事業者の多くは、WebサイトをIPv6対応にしているが、Topページがちゃんと閲覧出来ないところ、検索窓が動かないところが多く見受けられた。
また、最悪な例としては、直接サイトから絶対パスで呼び出す外部リンクの一部(主にCSSや画像、JavaScript等)の参照先サーバーが、IPv6にそもそも対応していないという悲しいことが発生。
中途半端なことをするぐらいなら、Reverse Proxyなどしかけて工夫すればよいのだが、一切ケアできていない。
ログインをしなければいけないなど、作り込んだサイトは仕方ないとしても、見せ方には工夫の余地がある。
少なくとも、サイトのコンテンツの一部(除外部サイトへのリンクや、別サービスのリンク)以外は、全部IPv6に対応させる必要がある。非常に優秀だと感じたのは、NTT東西フレッツネクストのIPoEサービスを始めるに当たって、名乗り出たVNE 3社の対応は素晴らしいとおもう。
また、IPv6アクセス時には、IPv6でアクセスしているとわかるようなロゴを掲載しているサイトは比較的まともな運用をされているように感じる。